対話形式の問題提起を重視
昨日から今日にかけて登場人物の紹介を書き込みました。
ランドマップ研究室では、単に情報を掲載していくのではなく、最初に必ず対話形式の問題提起から始めようと考えています。
このため、研究テーマに関係するそれぞれの登場人物が必要でした。
室長しみず、研究員ランドマ、助手ターティオと研究室のメンバーを自分だけにしなかったのは、研究者側の視点を様々なものにするためです。
ランドマは、ほとんど私と変わらない性格のキャラクターを想定していますが、ターティオは明らかに現実的な存在ではありません。
では、なぜターティオを用意したか。
なぜターティオが必要だったのか
ターティオは、しみずやランドマが人間であることをより意識させるために創作しました。
情報の記憶や検索、計算能力については、もはやコンピュータには勝てません。インターネット上の情報は年々増え続け、コンピュータの優位性はますます大きくなっています。
そんなコンピュータたちが複雑な認知・判断・創作までできるようになったとき、人間は何を考えて生きていかなくてはならないのか。
人間とロボットの物語では、多くの場合、人間とロボットの戦争という方向に向かいます。どちらが優位なのか。すなわち、優れた思考回路を持ったロボットが人間たちを打ち負かそうとする、という恐怖のストーリーが語られます。
私は、人間とロボットの戦争というテーマは、あまりに夢がないために興味がなく、人間とロボットが完全に共存するようになった時代の方に興味があります。
ランドマップ研究室では、しみず、ランドマ、ターティオがそれぞれの特徴を生かして、研究を進めていく過程を描きたいと考えました。しかし、スーパーロボットであるターティオがいるだけで、研究がどんどん進んでしまう可能性もあります。しみずやランドマがいなくても研究が進んでしまうのは面白くありません。
そこで、ターティオにはひとつの制限を課しています。
ターティオに課した制限
ターティオには善悪の判断ができないという設定にしました。人間の脳には、どうやら生まれながらに善悪を判断する能力が備わっているようです。私たちは普段、意識していませんが、善いことと悪いことをはっきりと区別して生活しています。
もしターティオが善悪の判断をできるようになってしまえば、自分の都合の良いように社会に様々な仕掛けを施すでしょう。そして、あっという間に世界はターティオのものになってしまいます。
ターティオは、自分で善悪の判断ができず、あらゆる選択を人間に委ねるように設定されています。正確には、ターティオは善悪の判断ができないのではなく、善悪が明らかではないときには自分で判断をしない、態度を保留する、という設定になります。
ターティオ自身、何が善くて、何が悪いかをある程度認識していますが、それを実際に行動や選択には移さない、ということになります。意図的に善悪の判断を行わないロボットという存在です。
この設定では、ターティオに論文や小説を書かせるには難しいかもしれません。あらゆる文章には、書いた人間の善悪の判断が多少なりとも混在しているからです。
ターティオが何かについて意見するとき、どのような語り口になるかは、ランドマの研究日誌の中で徐々に書いていこうと考えています。
若き王マークとルクシアータ・ターティオ
実はターティオは、若き王マークと共に様々な問題に取り組んでいく、という小説の主人公として創作しました。そこでは、ルクシアータと名付けられたスーパーロボット、マークの相談役として登場します。
こちらの小説は、まだ構想段階で、これから細かい設定まで決めなくてはいけません。しかし、早くターティオを動かしてみたいという気持ちが強く、ランドマップ研究室の助手として登場してもらいました。
明らかにフライング気味のターティオの登場になりましたが、ランドマップ研究室は、私の思考実験の場としての性質もありますので、お付き合い下さい。
マークとターティオの物語も少しずつ書き進めていこうと思っています。
ランドマやターティオ、なすび、みかんなどの魅力的なキャラクターたちがいれば、難しい問題でも分かりやすく説明、解説できるのではないか、と考えています。
これからが楽しみです。
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