2013年11月9日(土) 180分 栃木県済生会宇都宮病院
分子 |
重量の割合(%) |
水 |
65 |
タンパク質 |
20 |
脂質 |
12 |
骨などの無機化合物 |
1.5 |
RNA |
1.0 |
その他の有機化合物 (グルコース、グリコーゲンなど) |
0.4 |
DNA |
0.1 |
分子からみたヒトのカラダ
Freitas Jr., Robert A.: Nanomedicine, Landes Bioscience.1999
ヒトのカラダを分子でみると、馴染み深い言葉がようやく現れます。ヒトのカラダは水が65%、タンパク質20%、脂質12%で、これらで実に97%を占めています。
重要! ヒトのカラダは半分以上が水からできている
ここが重要です。ヒトはほとんど水からできているのです。
そこで、先ほどの二酸化炭素と二酸化ケイ素の相性の話が出てきます。つまり、二酸化炭素と二酸化ケイ素がヒトのナンバーワン分子である水と相性が良いかどうかということです。
二酸化炭素は水に非常に溶けやすいという性質があります。ビールやコーラ、サイダーなど炭酸飲料は、水の中に二酸化炭素が溶けているものです。
炭素がヒトのカラダのナンバーツーに選ばれたのはここに理由がありました。
つまり、炭素の化合物は水に溶けやすいので、水が多いヒトのカラダにとって都合が良かったのです。
ちなみに、二酸化ケイ素は水に溶けにくいものです。
ロゼッタ・ストーン、パソコン、スマートフォンが水に溶けているイメージはありませんよね。スマートフォンなどの携帯電話をトイレに落として苦い思いをされた方も多いでしょう。
ケイ素は水とは共存できないのです。
さて、「ヒト=水」ということが分かりました。
ここで、昨年(2012年)の栄養サポートチーム市民公開講座で行われた内容が重要になってきます。
昨年は「世界を変えた6つの飲み物 ビール、ワイン、蒸留酒、コーヒー、紅茶、コーラが語るもうひとつの歴史(合同出版、2007年)」という本の内容を講演しました。この本では、人類の歴史はビール、ワイン、蒸留酒、コーヒー、紅茶、コーラなどの飲み物によって大きく変化してきたということを指摘しています。
さらに、序文には以下の重要な指摘があります。
重要! のどの渇きは空腹よりも重大な死活問題だ。
ヒトは食べ物がなくても、2,3週間生きられるかもしれないが、
飲み物がないと、よくてせいぜい2,3日しかもたないだろう。
手塚治虫の「ブッダ」には、ゴータマ・シッダールタ(ブッダ)が悟りを開く前に断食の修行をしているシーンが描かれています。
この断食という修行は、何も食べていないわけではありません。実は水分を補給しながらの修行なのです。水分を補給しながらでなければ、断食の修行も継続できないのです。
ここで、最初のテーマの答えが分かったと思います。私たちにとっていちばん大切な食べ物とは何だろうか。そうです。ヒトにとって最も重要な食べ物は水です。
重要! ヒトにとって最も重要な食べ物は水
更新日 2014年1月30日(木)
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